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パンクロックな【YT Music】で、その歴史を振り返ろう!⑳

time 2020/02/08

パンクロックな【YT Music】で、その歴史を振り返ろう!⑳

「We dance to all the wrong songs. We enjoy all wrong moves……!」Refused編

 

「拝啓  Refused殿」

さて、親愛なる人よ。

我が気紛れな気球〈メロンタ・タウタ号〉が、地図にも載っていないような名もなき「島」に不時着したことは前にも述べたね。生き残った乗客はたった一人。この手紙を書いている当人だけさ。

砂浜と中央部に小さな森があるだけのこの「島」は、昼間は風と波の音が聞こえるばかりだ。あるいは海鳥の鳴き声や木々の葉が擦れ合うざわめき、それくらいのものさ。

しかし、夜は違う。ひとたび夜の「黒い吐息」が世界を手の届かぬ場所に連れ去ってしまうと、この「島」には「声」が満ち始める。「声」がどこから聞こえてくるものなのか、または誰が発しているものなのかは分からない。

いや、分からなかった、というべきか。今までは……。

ぼくは〈メロンタ・タウタ号〉の残骸を仮の家として、この「島」での生活をやり過ごしてきた。船内には食料や真水、酒の備蓄も充分だった。

そして、辺りが闇に染まり「声」が聞こえ始めると、いつだって布団を頭から被って震えながら眠りについたものだった。人は見たくないものは己を騙してでも見たくないものさ。逆に言えば、自分についた「嘘の数」だけその人にとっての見たくないものは存在しているのかもしれないね。

本当にそうなのかもしれないし、あるいはそうではないのかもしれない。

ぼくはしかし、そのような弱腰な生活に見切りをつけることにしたんだ。いつまでもあるわけではない食料や水の問題がある。この何もない「島」に居続ければいずれは気が変になってしまうという精神上の問題もある。もしくは、単にぼくがひどく暇だったからということもあった。

ぼくは昼間は眠り、夜は砂浜で寝ずの番をするという生活に切り替えた。よくも果敢に実行できたものだと思うよ。「必要は発明の母」というが「必要は勇気の母」でもあるらしい。夜の砂浜はひどく寒かったが、この手紙を書くことでなんとか紛らわそうとしたものさ。あたかも音楽が恐怖を和らげてくれるとでもいうように……。

さて、Refusedは、スウェーデン出身のパンクロックバンドだ。かつてABBA等を排出したスウェーデンは、実は隠れた音楽大国であり、パンクバンドに限ってもNo Fun At AllやMillencolinといった良質なバンドがたくさんいる。その中でもどこか異質なのがRefused。

Refusedの音楽は、メロディック・ハードコアでもポップ・パンクでもない。実験的でトリッキーなハードコア。その激しさはヘヴィ・ロックに近いものがあるが、それでもやはりパンクロックなんだろう。何が違うかと問われれば答に窮するが、しかし、「はっきりと」そうに違いない。

「New Noise」や「Liberation Frequency」、あるいはどこか楽しげな「Summerholidays vs. Punkroutine」などといった名曲たち。

もしスウェーデンの奥深いパンクロック事情を知りたいのなら、最初に聴くバンドはRefusedとはいえないかもしれない。だがいずれは確実に突き当たるバンドというのは間違いない。……

 

そして、とうとうぼくは「それ」を見た。

「それ」は全身から淡い蛍火のような光を発して、ゆらゆらと〈メロンタ・タウタ号〉の中から這い出てきた。

「それ」は、しばらく暗闇の中を迷子のように漂っていた。そう見えたのは、あるいはその淡い光の固まりがちょうど子供くらいの背丈だったからかもしれない。やがて島の「声」が一段と大きくなった。その「声」は、まるでぼくを暗い森の方へと誘っているかのようであった。

ぼくにはその時すでに「それ」の正体が分かっていたのかもしれない。そして、これからぼくが辿る道をも。

ぼくは勇を鼓して、その淡い光の後についていくことにした。……

 

もしもまた会うことがあるのなら、その日までお元気で。

敬具

空中遊民  ビリー・ブウ三世

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